不妊治療を行った人は二卵性双生児の双子が産まれやすいって本当?

そもそも、双子はどうやって生まれるのでしょうか?不妊治療を行って出産した人を見ていると、「不妊治療を行わずに出産した場合よりも双子が産まれやすい」印象はありませんか。

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、
「米国の双子の出生率は過去20年間で約76%上昇しました。その伸びは出産年齢の上昇と、不妊治療の利用の増加によって加速しました。」
とのことです。

このことからも分かるように、不妊治療の普及により、双子の出生率は世界的に増加傾向にあり、不妊治療を行うと双子が産まれやすいそうです。

そこで今回は、不妊治療と双子の関係について考えてみましょう。

双子には2種類ある

同じ双子でも、「顔がとても似ている双子」と、「顔が全然似ていない双子」を見かけたことはありませんか。

また、双子の中には、性別が異なる双子がいます。実は、双子には「一卵性双生児」と「二卵性双生児」という二つの種類があります。

一卵性双生児とは

「一卵性双生児」とは、1個の卵子が精子と受精し、1個の細胞から分割が始まって最初の2個になった時に、普通は1人の胎児となるのが2人の胎児に分かれて成長した双子です。

もとが1つの卵子から分裂しているために、2人が持つ染色体は同一であるため、性別も同じになりますし、外見もとても似ている双子となります。

二卵性双生児とは

「二卵性双生児」とは、2個の卵子それぞれが精子と受精して胎児となった双子です。

通常、1サイクルで排卵される卵子の数は1個なのですが、何かの要因により2個排卵したことによります。

2個の卵子がそれぞれに細胞分裂したため、2人が持つ染色体は異なります。そのため、性別が異なる場合もありますし、外見が似ていない場合もあります。

不妊治療と双子の関係は

不妊治療の普及によって増えていると言われている双子は、二種類の双子のうち「二卵性双生児」です。

ではどのような治療が双子の要因になるのでしょうか。

排卵誘発剤による多胎妊娠

不妊症の原因の一つとして、排卵障害があります。排卵障害とは、「卵巣から卵子が、何らかの理由で上手く排卵しない症状」を指します。

卵子と精子が結びついて妊娠に至るわけですから、排卵自体が上手く行われないと、自然妊娠することは出来ません。

そこで、排卵を促進するために排卵誘発剤を用いる場合があります。

また、排卵誘発剤は、排卵がある場合でも、人工授精や体外受精を行う際に妊娠率を上げる目的で用いられることがあります。

通常の場合、毎月1つ卵子が排卵されますが、排卵誘発剤を利用することで、複数個の卵子を排卵させ、状態のよい卵子を選び、その卵子を治療に使うためです。

このように、排卵誘発剤によって複数個の卵子が排卵された場合、それらの卵子それぞれが精子と結びついて受精した結果、二卵性双生児が誕生するのです。

また、排卵誘発剤には、「口から薬として飲む排卵誘発剤」と「体に直接駐車する排卵誘発剤」があり、それぞれ双生児が誕生する確率が異なると言われています。

体外受精による多胎妊娠

排卵誘発剤の使用を行っても行わなくても、二卵性双生児が誕生する要因となる治療法には、「体外受精」があります。

体外受精とは

不妊症の治療方法の一つとして、「体外受精」という言葉を聞いたことがあると思います。

体外受精とは、「体内から精子と卵子を取り出し、体外で受精させ、その後、受精した受精卵を子宮や卵管に戻すことで、妊娠を成功させる」方法です。

1978年に世界で最初に成功して以来、年々体外受精を利用する患者さんの数は増えています。

日本産科婦人科学会の発表によると、2009年に生まれた赤ちゃんのうち、約40人に1人は体外受精で生まれたそうです。

体外受精と多胎妊娠の関係は

以前は、「体外受精を行う際に移植する受精卵の数」に規制がありませんでした。

したがって、妊娠率を高めるために、複数個の受精卵を一度に子宮や卵管に移植することも多かったようです。

しかし、多胎妊娠は、単胎妊娠に比べてママの身体に負担が多くかかり、妊娠中のリスクが高くなります。

また、早産や赤ちゃんが低体重で生まれる確率が単胎妊娠に比べて高く、赤ちゃん自身へのリスクも高くなります。

そのため、2008年に日本産科婦人科学会が「体外受精において、移植する(子宮や卵管に戻す)受精卵は原則として1個体とする」という会告を出しました。

現在では、その会告に基づき、1回の体外受精に際して、1個の受精卵が移植されることになりました。

ただし例外があり、「35歳以上の女性、または2回以上続けて妊娠不成立であった女性などについては2胚(受精卵)移植を許容する」とされています。

そのため、該当する患者さんで一度に2つの受精卵を移植した場合、その2つともが順調に成長して出産に結びつき双子を出産する場合があります。

不妊治療の発達が双子の増加に関係しています

このように、高度な不妊治療が発達するに従って双子が産まれる割合が高くなっています。

双子を産み、育てることは、大変な面も沢山ありますが、喜びも二倍になるものです。双生児妊娠のリスクを理解した上で楽しい妊娠生活がおくれると良いですね。